ファッションビジネスにおいて、変わらずにあり続けるのは難しい事だ。
常に新しさを求められ、立ち止まれば停滞と思われかねない。
動き、変化し続けなければすぐに沈み、簡単に埋もれてしまう。
変わる事で存在感を示すのが手段として有効であるこの業界においては、変わらない事は勇気のいる選択だと思う。
もしそう見せているだけだったとしたら、尚更ではないだろうか。
YAECAは、ウチの取り扱いの中では最古参。
もう10年以上の付き合いになる。
その間ずっと変わらないように見えているかもしれない。
たしかに大きな方向転換も、声高な主張もない。
いつも静かで、そしてプレーン。
だけどそうじゃない。
10年以上という長いあいだ見続けてきたから分かる。
YAECAは常に変化している。
生地の選び方、パターンの微調整、シルエットのわずかな違い。
変わらない思想を軸に置きながら、表現は時代の空気感に合わせて変えている。
そうでなければ、こちらとて10年以上も買い付ける事などできやしない。
変わっていないのではない。
変わり続けているからこそ同じ場所に立ち続けていられるのだ。


「AUTHENTIC UTILITY TOOLS」
以前のYAECAのネームにはそう記されていた。
直訳すれば、本物の実用的な道具。
それは本当にずっと変わっていない、YAECAのアイデンティティ。


以前と書いたのには理由がある。
YAECAが10数年ぶりにロゴとネームを一新したのだ。
平林奈緒美さんによるYAECAのロゴは美しかった。
個人的にも思い入れがあっただけに寂しい気持ちもあるけれど、引き続き平林さんがデザインしたという新しいロゴもやっぱり素敵だ。
新しいネームには「AUTHENTIC UTILITY TOOLS」という言葉は書かれなくなってしまったが、もちろんその思想が無くなったわけではない。
あえて言葉で記す必要が無くなった、という事なのだろう。
今もこれからも、それは服の中に残っている。
26SSのオーダーにあたって、あらためてその「AUTHENTIC UTILITY TOOLS」というYAECAのアイデンティティと向き合ってみる事にした。
ネームからその言葉が消えた事が、逆に考えるきっかけになったのだ。
すると、自分が長年ずーっと着続けていたり、使い続けているYAECAはどれもこれも、まさに「ツール = 道具」というような、ファッションとは少し距離を置いたポジショニングであり、そういった使い方をしている、という事に気が付いた。
ややもすれば見落としてしまいそうなほどに主張が無いくせに、頻繁に手に取ってしまう。
着れば着るほどにその良さがわかってくる。
「これでいい」となんとなく着ていたつもりでも、「これがいい」、に変わっている。
そして気が付けば生活必需品になっている。
そんな感じだ。
とはいえ、もちろん着て雰囲気よく見える事もYAECAの大きな魅力であり、強みでもある。
かっこ悪いものは着たくない。
ただ、ファッション的な方向からよりも、あえてツールとしての利便性からアプローチする方が、ウチとしてはYAECAのポテンシャルを更に活かせるのではないか。
そう思ったのだ。
使えて便利で、結果かっこいい。
その方がYAECAらしいと自分は思う。
そう考えると、これまではピックしていたいくつかのもの達が外れてくる。
ファッションとしての視点からYAECAを見ていたセレクトが、どこか漫然としていたように思えてくる。
もっとソリッドに、もっとYAECAらしく、もっとウチらしく。
DIMPLE でのYAECA 26SS は、これまでよりも型数は減ったが、数量は変わらない。
日常生活の中で確かな存在感を示すであろうユーティリティなツールを、少数精鋭でしっかりとご提案します。




3月。
冬のアウターまでは必要なくなっても、春の風は強く、思いのほか冷たい。
薄く軽く、暑くなりすぎずにその冷たい風を防ぐものが必要だ。
その先には梅雨もある。
アウトドアのライトシェル系でも良いのだけど、もっとシンプルで、もっと匿名性が高い方が、自分やお客さまが普段好んで着るような服や、気分にも合うのではないかと、そう思っていた。
そんなイメージにぴったりフィットするものがYAECAの展示会に並んでいた。
生地は薄手のナイロンのようだが、ややシュリンクしたナチュラルな風合いで、コットンのようにも見える。
きけばナイロンの無撚糸で織った生地だそう。
無機質なようでいて何処か有機的でもあるファブリックが、とてもYAECAらしい。
防風性に加え、撥水加工も施している。
めちゃくちゃハイスペックという訳では無いけれど、日常生活では必要充分な機能性はしっかりと担保されている。
それくらいがちょうどよく、心地いいと思う。
ミニマルで匿名性のあるデザイン、ほどよくナチュラルさを残した生地感。
むやみに存在感を出さず、良い意味で適当に普通に着られて、他の洋服やシチュエーションからも浮かずに馴染んでくれそうだ。
気温も天候も落ち着かない春から初夏。
おしゃれして出掛けたい時もそうでない時も、いつだってかっこよく自然体で。
そんな風にとにかく便利で頼りになるライトアウター=ユーティリティツール。
同素材で3型のご案内。













YAECA
Comfort Shirt Wide
price \33,000 tax in
Color / charcoal
size / M , L , XL

長年 YAECA を象徴するプロダクトのひとつであり続けるコンフォートシャツをベースにしたこちら。
だから名称もシャツだけど、実際にはコーチジャケット。
シャツと解釈すればシャツなので、寒い季節にはミドルレイヤーとしても着られる。










YAECA
Hooded Shirt
price \38,500 tax in
Color / charcoal
size / M , L , XL


続いてはマウンテンパーカ的なデザインのフーデッドシャツ。
フード付きは梅雨時期にも頼りになりそう。
こちらもシャツ解釈ならインナー使いのレイヤードも楽しめます。











YAECA
Short Zip Coat
price \55,000 tax in
Color / charcoal
size / M , L



最後はジップコート。
こちらのみメッシュの半裏仕様で、他の各ディテールを含め3型の中で最もしっかりとアウターとしてデザインされている。
ややさがり気味に付いた背中のアンブレラヨークが YAECA って感じでかっこいい。
カジュアルとビジネスシーン、兼用で使えるのでは。
撮影の時は風が強く吹いていて、実際の気温よりも体感ではかなり寒く感じていたのだけれど、この YAECA のアウターを着る事でちょうど良く調整する事ができた。
駆け足での説明となってしまったが、型は正直どれでもいいと思う。
使い勝手は3型どれもほぼ同じなので、本当に見た目の好みで選んじゃってください。
ちなみにコーチジャケット好きの自分はコンフォートシャツで。
… すいません、まだ終わりません。
もう少しだけお付き合いください。

インナーに着たロンTEEも YAECA。
これも入荷を楽しみにしていた。
ちょうどこの BLOG を書いている途中で届いたので一緒にご案内する事にした。
なにを隠そう自分は YAECA のカットソーに絶大なる信頼を置いていて、長袖も半袖も数えきれないほど着倒してきた。
まさに自分にとってのユーティリティツール。
生活になくてはならないものだ。

YAECA
Dry-Touch Long Sleeve T-shirt
price ¥19,800 tax in
color / white , black
size / M , L , XL






今季生地もデザインも新しくつくられたロンTEE。
強撚した糸をふっくらと編み立て、これからの季節に心地よいさらっとしたドライタッチと柔らかな着心地を両立させている。
シルエットは身幅広め、着丈やや短めのボックス。
アームにも少しゆとりを持たせ、オーバーサイズというまでではない YAECA らしく自然なリラックスフィット。
秀逸なのが袖口で、リブなのにキュッとしていない。
それがすごくいい。
言葉で伝えるのがなかなか難しいのだけど、絶妙にゆるい空気感を出てくれる。
他では見たことのない独特なパターンニングの袖付けも健在。






生地の肉感やシルエット、ディテールなど、インナーとしても一枚着としても成立する絶妙なロンTEEです。
カラーはシンプルに白と黒。
白は真っ白じゃないけど生成りでもない、あくまでも白だけど柔らかく優しい白。
これがYAECAの白。自分大好きな白です。
黒はベタ黒。
むしろそれがYAECAでは珍しい。貴重な黒。
うーん、どっちもはずせない。
いつも言っている事だけど、自分はロンTEEが非常に好きで、ロンTEEにはちょっとうるさいという自負がある。
これはかなり自信を持っておすすめします。
春先必須のロンTEE、ぜひ一枚。
ナイロンアウター、ロンTEEともにすでに店頭には並べました。
オンラインへは本日 21:00 に掲載となります。
ご検討ください。
ご来店、ご注文お待ちしております。
DIMPLE


